ヒマラヤ日記

ガンゴトリーからリシケシュ

平成16年10月11日
 寝ながらトボバンの登頂を断念したことを考えていた。
私は断念したことを後悔していない。
ガイドのキャンが帰りを急ぎ危険な氷河の直線ルートを選んだのは雪の怖さを誰よりも知っていたからだろう。
そして私たちの装備はそれに耐えられる物を一つも持っていなかった。

 早朝、チャイを飲んですぐにガンゴトリーを出発する。
ドライバーのシブサンカルが私たちの荷物の積み込みをしてくれた。
今日も天候は回復していない。

 最初の予定ではガンゴトリーで時間的に余裕が取れればヤムナトリー(ヒンズー教の聖地)も見学しようと、計画を立てていた。
ここまでは道路の崩壊もなく私たちの計画は予定通りに進んでいた。
ただし、乾季での雪と雨は予定外だった。
 実は当初、楽天家の私とスーは、このヤムナトリーの温泉で気楽な一日を過ごそうと考えていた。
ヤムナトリーはウッタラカシュ(1000m)まで下がりその町から左にまた山を登り3000mまでアップダウンと曲がりくねった悪路を進まねばならない。
昨日の雨で道路は寸断されている可能性もある。
そしてヤムナトリーはガンゴトリーより少し高度が高いということは雪の可能性もある。
私とスーはツツとドライバーにヤムナトリーをキャンセルすることを伝えた。

 昨日の雨はガンゴトリーの山の頂を真っ白にしている。
帰りの道路を心配しながら車に乗り込んだ。
車のガラスは凍りついていた。
インドの車にヒーターはついていないので私とスーは震えながら細い悪路の曲がりくねった道をシブサンカルがブレーキもかけずに下る車内でフロントシートにしがみついている。

 天気は下り始めで少し明るさを増してきたが相変わらずどんよりとしている。
道路はスリップしシブサンカルも悪戦苦闘してそのぬかるみに挑戦している。
私とスーはぬかるみを通過するとシブサンカルに拍手を送ってたたえた。
そのぬかるみは4から5ヶ所あっただろう。
山を下るにつれ呼吸も楽になり気温はどんどん上がってきた。
 ウッタラカシュの町に入った。
シブサンカルが私たちにヤムナトリーの分岐点が近いことを私たちに告げた。
私はリシケシュに向かうようにシブサンカルに伝えた。
ツツが一番ほっとした表情をした。
彼は私たちより軽装備で彼は雨に濡れた肌着を着ていたのだろう。

 山の段々畑が日本の昔のようで懐かしい。
この風景はのどかで安ら情緒があって良い感じ!
ただ、天候は雲が増え暗さを増してきている。
峠を何度も通り過ぎ私たちは麓に降りてきた。

 リシケシュはヒンズー神院がガンガーに沿って立ち並んでいる。
聖地としてサドーが行をしているところでも有名なところです。
リシケシュのヒンズー神院は数も多く大きく威厳がある。

 私は今夜泊まるホテル(ドミトリー)はホットシャワーの出るホテルを探して!とお願いした。
私たちは冷たいシャワーにはもう体が絶えられないだろう。

雨に濡れた渓谷とガンガー 峠の茶屋でティータイム
リシケシュの巨大なヒンズー神院 ヒンズー神院屋上から見たガンガーと町並み
黒光りするリンガ シバ神
ガンガーでの祈り 暮れなずむガンガーと信者
シバ神が天空からガンガー(ゴームク)に
天下りを表現した像
今夜一番、トマトスープ

私のカメラはゴームクからの雨に濡れ電源が入らなくなっていたのでスーのカメラで今日からは撮影している。
ただ、フラッシュが壊れていて夜間撮影は難しいのがつらい。
本当はのどかな段々畑の風景を撮りたかったのだけれどカメラぶれで載せられなくてごめんなさい。

次へ続く