ロシア語かんたん辞典

2004年12月30日(木)

ママとラリサ ウラジオストック

昨日関東地方に雪が降った。厚木は全然積もっていない。ウラジオストクはマイナス20
度とのこと。カイロや、手袋、マフラー、モモヒキ(?)、防寒グッズは完璧だ。
スーツケースは、お土産や、洋服でいっぱいだ。多分20kgは超えているだろう。飛行機に預ける荷物は一人20kgまで。それを超えると超過料金を払わなければならない。

なぜ、ロシア・ウラジオストクに、しかも冬に行こうと思ったのか?
これといって明確な理由はない。なんとなく楽しそう、これだけ。
私は「ヒッポファミリークラブ(以下ヒッポ)」という民間の非営利団体に所属していて、普段は遊びながらいろいろな国の言葉を習得している。その団体が主催するホームステイが毎年行われていて、会社の冬休みが重なることと、ウラジオストクがわりと近いということで参加を決めた。もちろん、過去に行った人たちの体験談を聞いて楽しそうと感じたことが最大の理由。

朝、7時45分自宅を出発。駅のホームにヒッポのメンバー わかこちゃんとしょうちゃん親子(ヒッポではみんなニックネームで呼び合っている)が見送りに来てくれた。スパシーバー(ありがとう)!オーチンラーダー(とても うれしい)!7泊8日のロシアホームステイ楽しんできまーす。

新潟の地震の影響もあって、羽田から新潟までの飛行機を手配してもらった。9時30分に羽田第二旅客ターミナル到着。帰省ラッシュで羽田空港は人でごったがえしている。メンバーがいる。見送りに来ている家族や、他のメンバーと楽しそうに話をしている。ここで見送りの人たちとは別れて、10時50分 新潟へ。
さすがに東京より寒い。雪は降っていない。東京方面から電車で来た人、バスで来た人、大阪や名古屋方面から来た人もいる。スーツケースを預け、チェックイン。私のスーツケースは24kgだった。団体ということで全員の合計重量でみると、一人あたり20kgは超えていなくて超過料金は免れた。

新潟空港でお昼ご飯を食べていると、吹雪いてきて、あっという間にうっすらと外は白くなった。雪国だ。さすがウラジオストクとの定期便が週2回あるだけあって、ロシア人らしき人たちがあちこちにいる。ロシアのお土産も売っていたりして、いよいよという感じ。
出発直前にミミ&アーニー親子がキャンセルになってしまって、ショックであり残念だったけど、2人の心は一緒にウラジオストクへ、彼女たちの分も楽しもうと気持ちを切り替えて15時40分離陸。

機内は半分以上がロシア人だ。CAもすべてロシア人。アナウンスはロシア語→英語→日本語だった。ジュースを飲んで、ちょっとおしゃべりしていたら、もうそこはロシア・ウラジオストクだ。現地時間18時半頃着陸。時差は1時間。日本より進んでいる。
いざ、マイナス20度の世界へ。マフラー、帽子、手袋をしてタラップを降りた。辺りは真っ暗で、冷凍庫の中にいるよう。空港の建物までをつなぐバスに乗るほんの数秒だったけど、鼻の中が凍りそうな感じがした。
入国審査を受けて出口へ。新潟空港よりもまだ小さい空港だ。誰かを迎えに来た人。タクシーの運転手。当たり前だけどロシア人ばかり。聞こえてくる音も、看板もすべてロシア語。さっぱり分からないぞ。ニィェプニマーヨ(分からない)。
ナホトカ組、ウスリースク組とはここでダスビダーニャ。いわおちゃんのホストファミリーが空港まで迎えに来ていて一番にお持ち帰りだった。パカー!
ウラジオストク組もバスに乗って出発した。バスはまあまあきれいだったけど、暖房が効いていないのか、窓が凍っていて窓際に座っていると寒かった。1時間弱でホストファミリーとの対面場所へ。どこかの駐車場らしく、ホストたちが寒空の下、待ち構えていた。私のホストのラリサ、いたいた。お互いすぐ分かって、「ズラストビーチェ(こんにちわ)!オーチンプリヤートナ(始めまして、どうぞよろしく)!」。笑顔で挨拶。

ラリサは英語が話せるので、もっぱら私との会話は英語だ。車を持っていないらしく、タクシーをつかまえようと言っている。みんな車で帰っていく中、重い重いチマダン(スーツケース)を引きながら大通りまで歩いた。手を上げて車を止めた。すぐに1台の車が止まってくれたけど・・・ん??タクシーとはどこにも書いてない。なにやら運転手と話をしていて、すぐに車のトランクに私のチマダンを載せた。運転しているのはどう見ても普通の人だし、メーターもついていない。こ、こ、これは「ヒッチハイク」というものでは?!初めてのロシア、しかもこんな都会のウラジオストクで、ヒッチハイクをするとは!これからの一週間どうなるのだろう。ものすごく不安になった。しかし、すかさず車の中でも「ズラストビーチェ!ミニャザブ アキコ、オーチンプリヤートナ!」と自己紹介。

車を降りるとき少しお金を払っていたから、タクシーと同じかも。後で聞いたところによると、ウラジオストクではそうやって自分の目的地と同じ方向に行く車をつかまえて、乗せてもらうということは普通らしい。(後日、昼間外を歩いていて、確かにそういう人たちをぱらぱらと見かけた。タクシー代、バス代の節約か。そして、一般の車もわりとすぐに止まっていた。)

10分ほど走って到着。暗いからなにも見えないけど、どうやら団地のようだ。2階まで階段で上がり、その後8階までエレベーター。こちらのエレベーターはどれも乗るとすぐに閉まる。日本のように数秒間開いている時間というものがなかった。慣れるまではすごく慌てた。ラリサはこのアパートで一人暮らしをしている。ドアが3重になっていて、鍵をいくつも使って部屋に入った。猫が一匹迎えてくれた。オスで、名前は「ピエルシック」意味は桃。ふさふさの毛並みで遠巻きに私を見ている。私たちがよく言う「コーシキ」はメス猫のことのようで、オスの場合は「コート」。日本語にはあまりない男性名詞と女性名詞の使い分けがある。むずかしい。だけど、ニチボニチボ。

お土産をいろいろ渡していたら、近くに住んでいるラリサのママがやってきた。ママは自宅で体の不自由なパパの世話をしながら暮らしている。3人でお茶を飲みながら、改めて自己紹介した。紙芝居を使って、ロシア人の前でパルースキー(ロシア語)で自己紹介した。ふむふむ通じているようだ。ほっと一安心。ラリサは私がロシア語分からないから英語で話しかけてくる。しかし、ママはそんなことお構いなしにパルースキーで話してくる。さっぱり分からない。横でラリサが英語に訳してくれる。とても明るいママだ。

暖かい(?)日本からとってもホーランドナー(寒い)なロシアに来てしまいました。これからどんな一週間になるのだろう。さっきはとても不安を感じたけど、ラリサもママも優しそうだし楽しみになってきた。そういえばさっきお茶をしているときに「もっとお菓子を食べるか?」と聞かれたので、「セタパゴラ(お腹いっぱい)」と言ったら笑われた。だってこれしか「お腹いっぱい」の表現の仕方知らないもん。きっと苦笑いするような意味があるのだろう。ニチボニチボ(大丈夫、問題なし)。おやすみなさい。スパコイニノーチ。

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